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GWですね

お疲れさまです。
会社が遠いです。近くに引越したいですぜ。
往復の時間って無駄だよなぁ…。

そんなワケで、現在はSSを書いている時間がない!
ないったらない!
くそう。
会社がウチの近くに越してこないかな…。

それにしても感心するのが、社員のこだわり。
やっぱり職人気質の会社だなぁ、と改めて思ったりする。
負けてらんないですよ。

5月中に一本…。
無理だwwww
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雑記

『纏足』をあげて、すっかり気が抜けた状態です。
やっぱり前半部をちゃんと書けばよかったかなぁ…、と思ったり、それもかったるいしなぁ…と思ったりしていますw

ところでMuv-LuvのSSのほうですが、Arcadiaにあるのとは違い、少しだけ訂正してあったりします。
とはいえ、大幅に手入れをしているわけでもなく、あくまでも適当です。

香月先生のSSの手直しもしたいのですが、ネタが浮かばないw
沙霧SSは設定集でるまでは停止状態ですね。少しだけ書いてあるけど…。沙霧が芋を食べてるシーンw
沙霧以外にも主役がいる、ダブル主役方式でw
むしろそいつのほうが格好よくw
オリキャラじゃないですよ。
ただかなり長くなりそうなのと、あまり時間がとれない状態なので今は書く気がないです。
クーデター編はゲームで、少しばかり見えにくいところがあったので、そこを書きたくなるのですが、ちゃんと書こうとすると…。

すみません。当面は無理ですw
でも書きたいなw





日記 | コメント:4 | トラックバック:0 |

オリジナル短編  「纏足」

 はじめに

私のオリジナル短編です。Muv-Luvは関係ないです。
一部に性的な表現がありますので、大人の方のみの閲覧ということにしてください。
無理やり短くまとめましたので、今後、改稿する可能性もあります。
できれば感想をいただければありがたいです。

 それでは




 『纏足』                                                     


 ボクと貴美は幼馴染みだ。
 幼馴染みと言っても、別に将来を誓い合ったわけでもなく、幼い恋人同士でもなかった。
 ただ単に隣に住んでいるだけの同い年の友人だった。
 一緒に遊ぶ友人は他にも大勢いたし、とりわけお互いを特別扱いした仲でもなかった。
 ただ貴美がボクの傍にいることは、とても当たり前のことだった。
 不思議なもので、ボクと貴美は同じクラスになることが多かった。
 幼稚園の頃は『ひよこ組』で――、小学校では6年間のうちでクラスが違ったのは2年間だけだった。
 おまけにお互いの両親が気が合うようで、週末の度にお互いの家で交互に飲み会をするものだから、ボクと貴美は自然と兄妹のように育っていった。

 貴美に異性を感じ始めたのはいつ頃からだっただろうか――。
 多分、ボクはかなり昔から貴美のことを異性として捉えていたのだろうが、それを表に出すことは決してしなかった。
 貴美とボクは兄妹でいることが自然なのだ。
 なぜならボクらは、お父さんとオジちゃん――。お母さんとオバちゃん――。二人づつの両親がいる同じ家庭で育った子供なのだから――。

 幼い頃のボクらは、同じ風呂に入り、一緒に昼寝をした。
 弁当のメニューも同じだった。母親同士が楽をしようと交互にお互いの家の分を作るようにしていたからだ。
 お互いの家の子を交互に面倒を見ることを融通しあい、両親たちはボクらを育てた。
 だから何をするのも一緒が当然だった――。
 家族は似てくる――。その言葉は嘘ではないと思う。
 ボクたちは同じものを見て、同じ話を聞き、同じ教えを受けることで、より近い存在になっていった。
 





 貴美との距離が少しずつ離れていったのは、貴美が水泳を始めた頃からだったと思う。
 小学二年生の夏休みの間に一緒に通ったスイミングスクールで、彼女はその才能に目覚めた。
 ボクの方といえば、プールとは友達と遊ぶところである、と認識していたので、意味もなくただ泳ぎ続けることに楽しみを見出すことはできなかった。
 貴美は手足が長くスタイルが良く、目鼻立ちもはっきりしていて人目を引いていた。
 貴美のその水着姿をボクは正面から見ることはできなかった。お互いの家にいる時と違い、何だかとても気恥ずかしかったのだ。
 貴美の水泳のタイムのは――、幼い頃からボクをはじめとする男の子と駆け回っていたのが有利に働いたのだろう――、驚くほど素晴らしいものだった。

 才能を見出された貴美は、熱心なコーチに鍛えられ、たちまち全国でも有数なジュニアスイマーになっていった。
 その頃からボクと貴美は一緒に下校することが少なくなっていった。
 貴美は学校が引けるとすぐにバスを乗り継ぎスイミングスクールに通う日々が続き、ボクはボクで水泳ではなく、友人たちと始めたばかりのサッカーに熱中していた。
 
 学校の体育の水泳の授業になると、貴美の水着姿を再び見ることができた。
 貴美はボクが知らない間に、さらに手足が伸びて胸も少し膨らんできていた。
 ボクのほうと言えば、サッカーのお蔭で両足には筋肉がつき始めていたものの、上半身は相変わらずヒョロヒョロしていて、貴美よりはるかに軟弱な体型をしていた。
 ボクの不恰好な身体と違い水泳で鍛えられた貴美の体つきは、男女を問わずして羨望の眼差しを注がずにはいられないものだった。

 女子からは賞賛されるとともに嫉妬され、男子からは隠された欲望で視姦される。
 貴美は皆から傅かれ持ち上げられるようになっていった。
 クラスの女子の間では貴美と友人であることがステータスになり、男子の間では貴美に微笑みかけて貰うことは無上の栄誉となっていった。

 貴美はクラスの中で女生徒のリーダーのような存在になっていたが、その代わりに男子生徒と話すことは極端に少なくなっていた。
 女子生徒が、まるで親衛隊のように貴美を取り囲み男子生徒を近づけようとしなかったのだ。
 彼女たちは自分たちの憧れとして貴美を扱った。
 それでも何人かの男子が抜け駆けをして、貴美にアプローチをかけることに成功したようだったが、結果としてその全てが撃沈したらしい。
 その話を噂で聞いたボクは――、少しだけ気分が良くなったことをよく憶えている。

 貴美自身も他人に崇拝されることに喜びを覚えたのかもしれない――。
 貴美は一層の努力を重ね美しさに磨きをかけ、水泳の記録も伸ばしていった。
 長い髪は塩素で洗われ、少しだけ色が抜けている。夏の太陽を受けた肌は健康的に焼かれている。
 綺麗な身体と長い髪。
 彼女は女王のように存在した。
 気高く美しい――。不可侵の聖存在。
 彼女とボクは会話することもなくなっていた。






 中学の三年間、ボクはサッカーに明け暮れていた。
 ボクの通う中学は、そこそこの強豪校ではあったが、総合体育大会では市の決勝戦で破れ、県大会にはでられなかった。
 ボクは二年生の半ばから右のサイドバックとしてレギュラーの座を掴んではいたが、貴美と比べると相変わらず冴えない雰囲気を持つ男だった。
 クラスの男子と話をするのは何も問題はない。部活の仲間とだってそうだ。
 サッカーの話。テレビの話。ゲームの話。話を合わせることはいくらでも出来た。
 部活動では副主将も務めた――。
 主将はチームのエースで素晴らしいストライカーだったが、プライドが高く、人を束ねるのはあまり得意ではなかった。
 反対にボクは人当たりが良く、対人関係で波風を立てることもしなかったので、そこを皆に見込まれたのであろう。
 顧問の先生からは、お前が仕切ってくれよ――、とこっそり耳打ちされた。
 総じてボクは他人に対しては気の利く――、誰からも敵視されることのない、穏やかで優しいと評価される人間だった。

 ただ――ボクは女の子と話すことだけは、どうにも不得手だった。
 
 ボクは自分がクラスの女子と話をしていると、どうしても誰かの視線を感じてしまうのだ。
 それは冷たい瞳でボクのことを観察しているようで、それを感じるとボクは、どうにも居心地が悪くなってしまうのだ。
 たとえその場にカノジョがいなくても、ボクにはカノジョの視線が感じられた。
 考えすぎだということはわかっている。
 けれどボクの中に残っている記憶は、どうしても女子から距離を取るようにとボクに命令してくるのだ。
 白状すれば――ボクは他人と係わることを怖れていた。
 何か自分が失敗し、その結果、相手を傷付けてしまうのではないか、と常に考えていた。
 何かあれば仲間から必ず声がかかる存在――。でも実は親友という者がいない人間。
 それがボクだった――。

 原因はわかっている。
 あの日からボクは他人を傷付けてしまうことを極端に怖れるようになったのだ――。

 あれは小学四年生の夏休みだった。
 その日、午前中にスイミングスクールでの練習を終えた貴美は、ボクの家でボクとテレビゲームをしていた。
 貴美のオバさんは親戚の所に出掛けていたので、貴美はボクの家で昼食をとり、そのまま二人でクーラーの効いた居間で遊んでいたのだ。
 他の人がいない――、夏休みの間は、ボクらは以前のように話をすることができた。
 大きなテレビにゲーム機を接続し、二人で対戦する。久しぶりの戯れにボクは有頂天になっていた。
 レースゲームは何十周も周回を重ね、ボクらはコーナーへの侵入の度にお互いの身体が斜めになるのを見て笑っていた。
 やがてボクは三連敗を喫したので、得意のコースをセレクトし貴美に再戦を挑もうとした。
 ふと、横に座っている貴美の横顔に視線をやると、彼女は酷く青ざめていてコントローラーを握る手が小刻みに震えていた。

 どうしたのだろう――?

 貴美の初めて見せる表情にボクは混乱していた。
 やがて貴美の座っている辺りの絨毯に何か染みのようなものが広がっていくのが見れた。
 最初に思ったのは、貴美がお漏らしでもしてしまったのか――ということだった。
 でも、それはすぐに違うとわかった。

 ウチの白い絨毯に染み出していたのは赤い色をしていた。

 真っ赤な――、血の色。

 不幸なことに、その頃のボクには生理というものがわからなかった。
 出血をしているということは大変な事態であり、生死にかかわることだ、という知識しかなかった。
 浅薄なホラー映画やアクション映画で見た程度の知識だ。
 後から考えれば、死ぬほどの出血ではなかったというのも理解できるし、初めての経験で貴美自体も動転していたということも想像はつく――。
 だが、あの時のボクは怖れていたのだ――。
 貴美も股間から両足を伝う血液を――、助けを求める貴美の青白い表情を――。
 ボクはとてつもなく怯えていたのだ。


 動揺したボクの選択した行動は最悪だった。
 呆然としていたのだろうか――、それとも恥ずかしさのせいだったのだろうか? 
 微動だにしなくなった貴美をボクは放って置いて逃げるかのように家を飛び出し、買い物に出掛けていた母親を近所のスーパーマーケットまで呼びにいった。
 いつもなら自転車で五分。
 その日のボクはそれまでに出したこともないようなスピードでペダルを漕ぎ、大汗をかきながら店の中へ飛び込み生鮮食品売り場の前で母親を捕まえた。

 貴美が血を流している――。貴美が死んでしまう――。

 やけに冷房の効いた店舗の中で、ボクは泣きながら母親に訴えかけていた。
 ボクは貴美を傷付けた――。彼女の秘密を暴き、彼女のプライドを打ち砕き、おそらく最悪の解決策を選択してしまった。
 そんな事件があった頃から貴美とボクは兄妹ではなくなっていった。
 どこか遠い――、触れてはいけない箇所を持った生き物としてボクと貴美はお互いを認識するようになっていった。







 ボクが進学した高校は私立の有名校で、勉強にもスポーツにも力をいれていた。
 少子化の時代であるので、そういったところで目立たないと生徒が集まらず経営が難しいらしい。
 ボクは普通に受験し普通に入学した。貴美は水泳で推薦を受け、特待生として同じ学校に入学した。
 その頃には同じ学校に通っているというのに、一緒に登校することも下校することも完全になくなっていた。
 校内であっても別に会話をすることもない。
 そこに共通の知り合いがいる時だけ、ボクらは会話を交わすことができた。
 奇妙なことに高校の一年生の時も二年生の時も、彼女とボクは同じクラスだった。
 貴美は――、相変わらず女王だった。水泳で磨かれた肉体と素晴らしい結果のもたらせた自信。
 彼女の物怖じしない性格は多くの人を魅了し、中学生の時以上に衆目を集める存在へと進化していた。 
 ボクは何度か彼女に対する橋渡しを頼まれ、何通かの手紙を彼女に手渡す羽目になった。
 いい人、と呼ばれるボクは、そういった事を頼まれることが多かったのだ。
 そんな時の彼女は冷めた目をして不機嫌そうにボクにこう言った。

 「使い走りって楽しい――? 」
 
 別に楽しいとは思わないけど――、頼まれたからね。ボクはできるだけ平然と答えた。そう答えるのが精一杯だった。
 彼女は鼻を鳴らして手紙を受け取ると、何も言わずに去っていった。
 彼女は何人かの男と付き合ったようだったが――、どれも長続きすることはなかった。






 貴美が事故に遭ったのは高校二年の冬だった。
 その頃のボクはサッカー部でレギュラーと補欠の間を行き来する状態だった。
 一方、彼女は強化選手にも選ばれていて、上手くすれば五輪出場も――、などという噂もちらほらと囁かれるような状態だった。
 彼女は毎晩、遅くまでスイミングスクールで特訓を重ねていた。
 轢き逃げにあったのも、そんなある晩の出来事だった――。
 後日、捕まった轢き逃げ犯は、まだ若い男性で型遅れの古いスポーツカーに乗っていた。愚かにも、その車を板金修理に出した所から足がついたらしい。
 
 問題は彼女の身体だった。
 大きく撥ね飛ばされた貴美は運の悪いことに溝の中に落ち、そこで意識を失い発見が遅れた。
 肩とあばら骨を骨折し、靴も脱げ、冷たい泥水の中に彼女は横たわって浸かっていたらしい。
 その夜は雪が降っており、それが最悪の結果を貴美にもたらせてしまった――。
 発見されるまでの二時間の間に、彼女は重度の凍傷を負ってしまったのだ。
 彼女は左足の指の全てを切断し、右足も親指と人差し指を除いて切断しなければならなくなってしまっていた。
 足の指がなくなってしまったら、水を蹴る力は激減してしまう――。
 彼女は足の指を失うのと同時に、彼女の人生を懸けて努力してきた夢も失った。




 ボクは貴美の入院先に何度も荷物を届けに行った。ボクたちの間には会話はなかった。
 ボクが病室を訪れると、彼女は視線を窓の外にやって、決してボクの顔を視界にいれようとしなかった。
 オレンジ色の夕焼けが彼女の頬を染めた時でも、彼女はボクを見ようとはしなかった。
 貴美の両親はその失望を隠し、彼女の支えになろうと必死だった。
 だが失望感を隠そうとすればするほど、僅かな隙間から漏れ出た空気が毒となって貴美を苦しめた。
 高い所まで登ってしまった者ほど、落ちた時の痛みは大きいのであろう。
 
 貴美は心に壁を作り、誰にも素顔を見せることはしなくなってしまった。
 



 ボクは貴美と再び、一緒に登校することになった。
 二ヶ月半の入院生活を経て退院した彼女は、松葉杖を使わなければ歩けない身体になってしまっていたのだった。
 彼女の両足の接地面積は極端に小さくなってしまい、またそのせいで靴も脱げ易くなってしまっていたので、彼女がそれに馴れるまでには介助者が必要になったのだ。
 貴美は最初、激しく抵抗していたがオバさんの説得を受け、しぶしぶと了承した。
 ボクは貴美の鞄を持ってやり、貴美は軽量アルミフレームの松葉杖を使い、学校へ通うことになった。
 学校に到着するまで、ボクらの間には相変わらず会話はなかった。
 実際のところ、貴美は松葉杖なしでもなんとか歩くことはできたが、そうすると歩幅を大きく取ることができず、まるで歩き方を憶えたばかりの赤ん坊のような歩き方になってしまう。
 それが彼女の気に召さなかったようだ。彼女はボクに鞄を預け、ボクから距離を取って、松葉杖を使い一人で歩いていた。
 駅の階段は急な角度で、彼女が一人で昇り降りするのは難しかった。間の悪いことにエスカレーターは工事のために使えず、貴美は不機嫌な表情を見せた。
 ボクは貴美に手を差し伸べたが、彼女は何か汚いものでも見るような目でそれを拒否した。

 学校は――、彼女にとって快適な場所ではなくなっていた。
 もとより水泳の特待生として入学した貴美である。水泳ができなくなってしまっては立つ瀬がなかったのであろう。彼女の表情は暗かった。
 ボクは彼女にかける言葉を探したが、ボクの貧困なボギャブラリーの中からは適した言葉を見つけることが出来なかった。
 ボクにできることは貴美を見守ってやるだけだった。
 クラスに辿り着いても、彼女は酷く哀れに見えた。
 クラス中の誰もが彼女を心配し、話しかける。

 大丈夫――? 何でも言ってね――。元気だして――。それで治るの――?

 本当に聞きたいのは最後の言葉だけ。それでも代わる代わる質問される度に、彼女は律儀にも気丈に答える。

 「ごめんなさい。もう治らないの――。えぇ……、水泳はもうあきらめたわ――」

 彼女がそう答える度に、彼女の中で何かが壊れていくのがボクには見えた。
 それでも彼女は淡々と質問に答え続けた。まるで質問に答えることが彼女の使命であるかのように答えた。
 何かを壊して踏みにじるかのように答え続けた。
 常にクラスの中心に存在し、その華やかさで人を惹きつけていた彼女は――。
 今は壊れたオモチャのように同じ返答を続けていた。

 「ハイ。モウシワケアリマセン――。ワタシハ モウ、オヨグコトハデキマセン――」





 次第に貴美はクラスの中で孤立していった。
 以前の彼女が発していた光が強ければ強かったほど、それによって作られていた影も、色濃くあったのであろう。
 それが浮かび上がってくるのは時間の問題だったのだ。
 手負いの獣は荒野では生きていくことができない。それは日本の高校生だって同じだ。
 運動をすることも適わず、クラスの仕事や行事にも参加できなくなった貴美に、やがて有形無形のイジメが襲い掛かってきた。

 女子のイジメは陰険だ――。
 表面上はイジメをしている雰囲気はまるでない。
 だが、その影で言葉のナイフを貴美の急所に次々と突き立てていくのだ。

 いいよ、貴美ちゃんは休んでて――! 貴美ちゃんがやると時間が掛かっちゃうじゃない? アタシがやってあげる――。
 貴美は向こういってていいよ――! 無理でしょ、貴美ちゃんの足じゃ――?

 貴美のことを一番に弄って遊んでいたのは、以前の彼女の取り巻きたちだった。
 親切というものをカモフラージュに使い、彼女が他人より劣った存在である、ということを周囲の人間と貴美に刻み込んでいく。
 それは用意周到な狩りだった――。
 貴美はそれでも笑顔を作って、なんとか、かつての仲間と打ち解けようとしていた。

 ボクは注意深く距離をとりながら、貴美を見守り続けた――。
 クラスの女子はボクが見ていることを感じると、貴美へのイジメを控えることが多かったのだ。 
 しかし、四六時中監視することができるわけではなかった。そして、狩りをしようとする者は番犬のいない時を選ぶのだ。

 あれは選択科目の授業で、ボクと貴美が別々の科目の授業を受けた後の休み時間のことだった――。
 移動教室からクラスに戻る最中、教室の前の廊下が騒然としていた。
 女生徒たちの金切り声と、金属の棒のようなもので何かを叩く音。
 やめろ――、という怒声と野次馬の騒ぎ声。
 悪い予感がしたボクは人混みを掻き分けクラスの中に飛び込んだ。

 貴美が立っていた――。
 貴美はアルミで出来た松葉杖を高く持ち上げ、それを床に転がる女生徒の頭に激しく打ちつけようとしていた。
 頭のどこかを切ったのだろうか――?
 床に倒れた女生徒の頭から血が流れでていた。
 貴美は顔を醜く歪め、髪を振り乱し、呪詛の言葉を唱えながら女生徒をさらに打ちのめそうとしていた。
 彼女が完全に自分を見失っているのがボクにはわかった。
 貴美の狂気に近い表情は男子すらも近づけない迫力を有していた。

 誰かが、先生を呼びに行ってくる、と宣誓して廊下を走っていった。
 貴美がもう一度、松葉杖を振りかぶり、倒れている女子の頭に向かってそれを振り下ろした瞬間にボクは貴美の正面に飛び込むことができた。
 肩口に重い痛み。硬いモノで肉が叩かれる音はボクの耳のすぐ傍から聞こえた。
 頭の中が痺れる程の痛みがボクの身体に存在したが、ボクは苦労してその痛みを無視して貴美の身体を捕まえた。

 貴美は――。

 突然、目の前に現れたボクを打ち据えてしまったことに驚いたのであろう。
 呆然とした表情で、身体も小刻みに震えていた。

 「大丈夫――。怖くないから――」

 暴行を揮っている側の貴美に対して、我ながら間の抜けたことを言ってしまう。
 ボクは何とか貴美を落ち着かせようと必死だったのだ。

 「大丈夫――」

 そう繰り返し、貴美の身体を強く抱きしめた。

 それはボクが子供の頃――、彼女に言ってやりたかった言葉であるような気がした。
 ボクの腕の中で硬直していた彼女は、しばらくすると自分を取り戻したのだろう――。
 彼女はボクの腕の中で嗚咽を漏らし始めた。
 やがて先生たちが到着し、その場を収め始めた。

 「何があったんだ――? 」

 体育教師が周りにいる生徒に聞いた。
 聞かれた男子生徒は、女子が須藤さんをイジメて――と言い始めた。
 その言葉が耳に入ったのであろう。取り巻きの女の一人がこう叫んだ。

 「何よっ! 傷痕を見せてくれって言っただけじゃない――! 」

 耳に残る嫌な響きだった。
 それを聞いたボクは――。
 振り返り、その女生徒の顔面に向かって拳を叩きこんだ。






 ボクは一週間の停学処分をくらった。担任と教頭による事情聴取が行われたが、ボクは一言も喋らなかった。
 多分、貴美もそうしたのだろうと思う――。貴美も同じ処分を受けていた。
 教師達は周りにいた生徒の話を聞き、正確な所を掴んでいたようだった。
 ボクが女生徒を殴ってしまったことは、かなり問題視されたようだったが、結局殴られた女生徒たちが問題にしないでくれ、と言ってきたらしい。
 イジメを楽しみながらも、彼女たちにも後ろめたい気持ちがあったのだろう。
 学校側もその件には触れたくない様子だった。

 ボクの両親たちは――。
 ボクが何も言わなくても全てを把握したらしい。
 説教はなかった。ただ代わりに――。
 どんな理由があろうとも、女生徒を殴ってしまったのはお前の罪だ。罰を受け入れなさい――、と言って学校側に処分の撤回を訴えることはしなかった。
 正直なところボクは余り反省をしていなかった。思っていたのは精々、顔面ではなく腹を殴っておけば良かったということくらいだった。
 それどころか、何年かぶりに貴美を守れたことで、どこか吹っ切れたものすら感じていた。

 ボクとは対照的に、貴美は部屋に引き篭もっていた。
 両親が話しかければ返事はするものの、一日中自分のベッドの上で膝を抱えて窓の外を見ているのだという。
 
 ボクは貴美の家の居間にいて、昼食の準備をしていた。
 オバさんがパートにでている間、貴美を見守っていて欲しいと頼まれていたのだ。
 炒飯を作り、市販のスープをつけて貴美の部屋に運んでやる――。
 食事を持ってきたと言っても貴美はボクを見ようとはしなかった。
 貴美は上半身は起こしているものの、下半身には毛布をかけ、その足が自分の視界に入らないようにしていた。
 貴美の机に昼食を置き、ボクは貴美に話しかけた。
 いつもと同じで返事はなく、貴美はボクを無視し続けた。
 それでもボクはまた、貴美に語りかけた。意味のある言葉ではない。ただ単に貴美を怒らせたかったのだ。
 あの時ボクは貴美を止めてしまった。だからまだその燃えカスのようなものが、貴美の中で燻ぶっていることがボクにはわかったのだ。
 それに――。爆発してしまえば、今のボクのように割り切れるようになるかもしれない。
 だからボクは正当な――、誰が聞いても鼻につく説教を、滔々と貴美に語り続けた。
 オジさんもオバさんも心配しているよ――。水泳以外にも楽しいことや打ち込めることはきっと見つかるよ――。
 貴美が切れるまで、そんなに時間は掛からなかった。ボクが世の中にはもっと不自由な人もいて苦労してる人もいると、偉そうに語っていた時だった――。


 「この足を見てもそれが言えるの――? 」

 貴美の瞳には怒りと自嘲が混ざっていた。彼女が靴下を脱ぎ捨てると白い脹脛が露わになった。
 そして左足をボクに突きつけて言った。

 「醜い……。醜い足でしょ? ううん――。こんなの足じゃない……! 」

 左足は五指の全てがない。足の甲の中頃から切断されていて、大きさは以前の半分くらいのように見えた。
 傷口は丸く滑らかになっていて、真新しい白い皮がそこを覆っていた。

 「何の役にもたたない。泳ぐことも走ることもできない。歩いてたって、すぐに痛くなってくる――。いらない……! こんな足、私はいらないっ! 」

 貴美の声は刺々しく、そして湿り気を帯び始めていた。声も擦れていた――。

 「どうせなら死ねば良かったのよ――。私なんて、あそこで死んでいたほうが良かったのよ。今の私に生きる価値はない……! 他人に馬鹿にされ、蔑まされて生きていくなんて耐えられない――」

 死んだほうがマシよ――。そう言い捨てて貴美は両手で自分の顔を覆った。
 
 「出ていってよ――! 早く出ていって! ……世界中でアナタが一番嫌いよっ! 早く出ていけ――! 」

 そう言って貴美はボクに鞄を投げつけると、自分の身体を自分で抱え小さく丸まった。
 きつく自分を抱きしめることで、彼女に対して冷たい世界から見つからないように自分を隠そうとしていた。
 彼女は結局――。裸の王様だったのだろう。
 信頼していたコーチは、もはや彼女には何の興味も示さず、クラスの取り巻き連中も去っていった。
 彼女に想いを寄せていたはずの男たちも、彼女の不自由な姿を遠巻きに確認すると、最初から何もなかったかのように消えていった。
 貴美は皆に崇め、そして奉られている間に、やっぱり少しづつ狂っていっていたのだ。
 子供の頃の――、純粋な貴美であれば、そんな友達だけではなかったはずだ。
 他人との関わりを、対等を前提にしたものではなく上下関係で計る性癖を身につけてしまっていたのであろう。
 そんなふうに成長してしまった彼女にとっては、人より劣るということは何よりも辛いことなのだろう。

 哀れな存在。
 ボクと同じだ――。
 心を開きあう仲間を手に入れることができなかった不器用で臆病な人間。

 かつてボクらはお互いに一番近い存在だった――。その一番近い存在に心を開けなくなった時からボクらは彷徨い続けた。
 
 ボクは誰からも等しく距離を取ることで保身を図り、貴美は孤高に身を置くことで他人を近づけなかった。
 お互いのいなくなった穴を埋めるべく、ボクらはそれぞれのやり方で自分を守ろうとしていた。
 そして――。
 二人とも失敗したのだ。
 ボクは貴美の左足の踵をとり、それを自分の身体近くに寄せた。
 それからボクは自分の行おうとしていることが、変態的なことだと充分に理解した上で、貴美の白い傷痕に優しくキスした。
 白く引き攣った傷跡には確かな体温があった。

 「傷なんか全然関係ないじゃないか――。綺麗だし……。その……」

 自分でも何を言っているのかワケがわからない。でも、この行為は正解だとボクは確信していた。
 彼女を抱きしめてやるよりも頭を撫でてやるよりも、今はただその傷口にくちづけをしてやることが一番大切なことに思えた。

 ボクと貴美はお互いに見詰め合って呆けていた。
 貴美は自分が何をされたのか理解できていないようで、ボクはボクで、何だか取り返しのつかないことをしてしまった気がして動きがとれなくなってしまっていたのだ。
 やがて――。
 彼女は吹きだすかのように笑って言った。

 「変態――」

 ボクたちはお互いの顔を見合わせて――、もう一度笑った。


 そこから先は自然だった。ボクは貴美の頭を抱え、その髪の匂いを嗅いだ。甘い香りがボクの脊髄を伝って陰茎まで落ちていった。
 貴美の塩素に負けていた髪は、今ではまた黒くなり始めていた。彼女が水泳から遠ざかって、それだけの時間が過ぎていたのだ。

 「昔からそうよね――。タカシは、いて欲しい時に必ずいてくれた――」

 ボクの胸に頭を埋めるようにして彼女はそう囁いた。

 「そうだったかな……? 」
 
 ボクは少し照れてしまった。

 「……そう言われればそうね。……訂正するわ――。一度、逃げたことがあったわね――」

 あぁ――。いつの話かはすぐに見当がついた。

 「すまない――。反省はしている。でも……救急車を呼ばれるよりはマシだっただろ――? 」

 ボクの顎の下で貴美が笑ったのがわかった。

 「そうね。それよりはマシだったわ」

 貴美とお互いの額を触れ合わせる。皮膚の下の頭骨の硬さと貴美の体温を感じられた。
 貴美の顎に手をやり上を向かせた――。
 ボクが貴美の瞳を覗き込むと、貴美は自然に瞳を閉じた。貴美の目蓋を閉じた表情を見るのは久しぶりだった。
 ボクはほんの少しの間だけ、その表情を眺めると彼女にキスをした。
 それから二、三度、口唇を合わせた後。ボクたちは互いの舌を絡めあった。
 口唇と舌の触れ合うところが痺れる。甘い感触がボクの脳を満たせていく。
 お互いの口腔内を舐りあう――。
 貴美の唾液はどうしようもないほどに甘かった。ボクはその味を存分に味わった後、今度は逆に貴美の中にボクの唾液を流し込んでいった。
 彼女はこくこくと音をたてて、それを飲み干した。
 二人とも覚悟は決まっていた。

 「愛してる――」

 そんな言葉を言ったのは初めてだった。

 「愛してる――」

 そんな言葉を言われたのも初めてだった。
 その言葉は耳から侵入しボクの脳を直撃し、理性を破壊するのには充分な威力を持っていた。
 ボクは貴美をベッドに押し倒した。
 貴美の耳にキスをして、もう一度同じ言葉を繰り返す。
 耳から貴美の首筋へと舌を這わすと、貴美が微かな吐息を漏らした。
 服の上からでも貴美の身体の柔らかさは感じ取ることができた。
 ボクは貴美のシャツのボタンに指をやり、ひとつひとつ外し始めた。
 その作業が遅々として進まない。どうしても指が震えてしまうのだ――。
 だからボクは強引に貴美のシャツを開こうとした。ボタンがいくつか弾けて跳んだ。
 ボクはもう自分を抑えることができなかった。ブラのホックを外す手も震えてもどかしい。
 ホックが外れるやいなや、ボクはブラをたくし上げた。
 開かれた双丘は信じられないほどに白く、その上に薄桃色の突起物が載っていた。
 
 ボクは貴美の胸をできるだけ優しく触ろうと心がけた――。
 そうしないと興奮し過ぎている自分に歯止めが掛けられなくなるであろうことがわかっていたからだ。
 右手を使い、貴美の胸の麓から頂に向かってゆっくり揉み解していく。貴美の胸は驚くほど柔らかかった。
 ボクの身体には、これほど柔らかい部位はない。今まで触れたこともないような柔らかさだ――。
 その柔らかい感触をボクは楽しんだ。
 肉にボクの指が埋もれていく――。少しずつそれが硬くなっていくのがわかった。
 ボクは起立した貴美の乳首を口に含んだ。口唇だけで乳首を咥え、舌先でそれを刺激する。
 貴美の小さな悲鳴がボクの頭の上から聞こえてきた。

 貴美がボクの頭をきつく抱える。食い縛った口から、声にならない声が漏れるのが聞こえる。
 半ば強引に布地を切り裂くかのように、ボクは貴美の服を剥いでいった。
 ボクも自分の服を脱ぎ捨てる。
 肌と肌を触れ合わせたかったのだ。
 貴美と――、少しでも多く、直接触れ合っていたかったのだ。
 ボクの身体は熱くなっていたが、貴美の身体はそれ以上に熱くなっていた。
 ぴったりと身体を接触させ、お互いの体温を感じあう。
 ボクと貴美はお互いの身体にキスをしあった。

 ボクは貴美の乳首を味わい、肋骨から腋の下にむかって舌を這わす――。
 貴美の筋肉がそれに反応して収縮したのがわかった。貴美は恥ずかしそうに肘を使って腋の下を守ろうとした。
 それがあまりにも一生懸命な様子だったので、ボクは思わず笑ってしまった。

 「笑うな――」

 貴美の甘えるような怒った声――。
 嬉しかった。楽しかった。貴美のそんな声を聞いたのは何年ぶりのことだろう。きっとあの時以来だ――。
 ボクは左手だけで貴美の両腕を捕まえて、それを無理やり貴美の頭の上で固定した。
 貴美は双丘も両腋も、全てをボクに晒していた。
 水着の跡がうっすらと残る白い肌が、羞恥心でたちまち桜色へと染まっていくのが見えた。

 「綺麗だね、貴美」

 「……」

 「貴美が世界で一番綺麗だ」

 ボクは素直に見たままの感想を述べた。

 「馬鹿……」

 貴美はそう言って視線を逸らした。瞳に涙が溢れている。ボクはその涙を吸い取ってあげた。

 左手で貴美の動きを封じたままで、右手を貴美の肌の上で流す。
 微かに触れるか触れないかの微妙な距離で、鎖骨から双丘を経由して脇腹へと滑らせていく――。
 貴美の身体はその動きにいちいち反応した。ボクの指が触れる度に触られた箇所が痙攣するのだ。

 「触って欲しかったのか――? 」

 貴美は答えない。きつく眼を閉じて顔を背けている。抵抗することはもう諦めているのだろう。完全にボクに身を任せている。
 太ももを撫でる。小さな声が吐息に混じる。
 膝を指で軽く撫でてやると、今度は確実に甘い声を貴美は出してしまった。 
 その声が貴美自身の耳に入ったのだろう。貴美はもう一度、身を捩って逃げようとした。ボクは力ずくで貴美を逃がさなかった。

 ボクは貴美の長い足に舌を這わせていった。
 左足の傷痕にもう一度キスをしてから、今度は右足を持ち上げた。
 右足には親指と人差し指だけが残っている――。
 ボクはその残された指を口に含むと指の股を舌で舐めあげていった。
 再び貴美は抵抗しようとした。
 貴美の中では羞恥心と快楽への欲望が鬩ぎあっているのだろう。
 だからボクはあえて音をたてて、貴美の足の指をしゃぶり続けた。

 貴美は激しく身体を震えさせて――、結局は押し寄せてくる刺激に抗することはできなくなっていった。
 
 足の向こうには貴美の秘所が見える。
 薄い陰毛が申し訳程度に秘所を隠している。
 ボクは貴美の股を開くと、その間に頭を割り込ませていった。

 「……そんなの……。駄目……」

 言葉では抵抗を続けている。でも本心ではそれを求めているのであろう。全ての抵抗は形ばかりのものだ。
 女性の秘所を直接見るのは初めてだったが、ボクには貴美が濡れているのがわかった。

 秘肉の襞に合わせるかのようにボクは舌を尖らせてゆっくりとなぞっていった。
 やや小振りの肉襞に舌を合わせるとその中心から、ボクの唾液以外の熱い体液が溢れ出てきた。
 しばらくその液体を舐めとりその味を堪能した。ふと貴美の顔を見ると、貴美は自分の指を噛み決して声をあげまいと頑張っていた。
 ボクは彼女に声をあげさせたくなってきた。

 肉襞を両手で掻き分けて舌で内壁を舐める。舌先に小さな塊を感じた。

 あぁ――、これが……。

 貴美の肉体で一番敏感なところだ。
 ボクはその肉の芽を舌を硬くして触れた。
 貴美の太ももがきつくボクの頭を挟み込んだ。貴美がボクの髪を掴んだ。
 ボクは興奮を抑えきれなくなって、なお一層にその肉の芽を刺激した。舌を使い舐めあげる――。息を吹きかけ貴美の匂いを堪能する。
 もう我慢の限界だったのだろう――。
 貴美ははっきりと喘ぎ声を発した。

 肉の芽を吸い、甘噛みし、鼻先で押す。
 その度に貴美から喘ぎ声が漏れる。膣口からは愛液が溢れ出て、ボクの頭を挟んでいる太ももは熱過ぎるほどの体温になっていた。

 ボクはしばらくの間、貴美を演奏することを楽しんだ。
 貴美はもう、どこを触っても抵抗できない。もっと触ってくれることを求めていた。
 膣口に指を滑らせ肛門を舐めてやる。
 貴美の呼吸は不規則になりボクの与える刺激に、いいように踊らされていた。
 ひとしきり彼女を踊らせていると、やがて彼女の全身が突っ張り、それから身体から力が抜けていくのがわかった。
 彼女は多分、今まで味わったことのない快感を受け取ってしまったのだろう。
 今まで見せたことのない表情をしていた。
 知性が著しく低下した牝のような――、それでいて何もかも悟ってしまった聖女のような――。
 そんな恍惚した表情でボクのことを見ていた。
 
 正直な話――。ボクは今すぐにでも貴美の中に入りたかった。

 でも、それはできなかった。
 ボクはもうイキそうになってしまっていたのだ。

 多分、このまま貴美の中に入ったら、ボクはあっという間に果ててしまうだろう。
 それでは非常に格好が悪い……。

 ボクの不安を貴美は捉えたのであろうか――?
 貴美はボクの身体を両手で突っ張って押し離すと、逆にボクを押し倒しボクの上に乗ってきた。
 それからとろんとした眼でイタズラっぽく笑うと、反撃開始――、と言ってボクの身体にキスを始めた。

 ボクの口を吸い、ボクの耳に舌を挿入してくる。
 ボクの身体に、痛いほど強く爪をたて、ボクの乳首を音をたてて舐め始める。
 その舌はボクが先ほど貴美にしたように、徐々に下半身へと降りて行き、やがてボクの陰茎の手前で止まった。
 貴美はボクのそれを観察していた。
 なんだか凄く恥ずかしい――。
 貴美はそれから小さな声で、えい――、と呟くとボクの陰茎を咥えた。
 貴美の口の中は暖かい唾液が充満していて、まるで陰茎だけが湯船にでも浸かっているような感覚だった。
 その湯の中で貴美の舌がボクの陰茎に絡み付いてきた。
 貴美は慎重に、歯をたてないようにしながら、一生懸命にボクに奉仕していた。
 貴美にそんな知識があったことに多少、衝撃を受けながらも僕はその刺激を受け入れていた。
 クラスの女子とそんな話をしている様子はなかったが、貴美には多少の知識もあったようだ――。
 彼女は蛇のように舌をチロチロと使い、ボクの尿道に舌先を潜り込ませようとしていた。
 
 ボクはもう我慢の限界だった。自分でするのとはまるで違う感覚――。
 強制的にいかされる――。ボクが射精するまで続けられる圧倒的な快感。
 堪らずボクは暴発し、貴美の顔と口をボクの白濁した体液で汚してしまった。
 貴美は少しだけ驚いたようだったが、それからにんまりとした笑みを浮かべボクに言った。

 「タカシ、感じたんだ――。私でいっちゃったんだ――? 」

 幸せそうな顔をしていた――。あの頃の貴美の笑顔だった。

 ボクは貴美を再び押し倒した。
 小さな悲鳴があがる――。
 それは恐怖によるものではなく戯れのものだ。

 ボクたちはいつのまにか昔の関係に戻っていた。
 からかいあい、戯れあい、ふざけ合う――。一緒にいることが一番安心できる関係。ボクたちは一番近くにいて欲しい者同士なのだ。
 ボクは貴美の両足首を捕まえ、そのまま貴美の両足を大きく広げた。

 「貴美、全部見えてるよ。大切なトコロもクリトリスも肛門も――。全部、見えてるよ」

 貴美の顔が真っ赤になったのが見えた。ボクはそれがたまらなく嬉しかった。

 「いれるよ……」

 しばらくの沈黙の後、貴美は、こくん――と頷いた。

 「今日は……、その……へ、平気な日だから――」

 ――安心して。

 声に出していない貴美の言葉がボクには確かに聞こえてきた。
 ボクは陰茎に右手を添えると、貴美の秘所の入り口にそれを軽く押し当てた。
 貴美の身体の中に、ゆっくりとボクは侵入していく。
 きつく狭い入り口だったが貴美はボクを受け入れてくれるようだった。
 貴美の肉体の中で何かが、ぷつぷつと切れるような音がした。
 ボクは初めて自分の陰茎を使って貴美の内臓に侵入した。ねっとりとした体液には血が混じっている。
 貴美は自分の手の甲を噛んで痛みを堪えていた。
 これだけ濡れていても、痛いものは痛いのだろう。
 その姿を見ても、ボクはもう自分を止められなくなっていた。
 世界中で貴美を傷つけていいのはボクだけなのだ――。
 ボクは貴美に体重をかけるようにして、より深い部分へと侵入した。

 「――くっ……はぁっ……」

 貴美は涙目になっていた。ボクと目が合うと彼女はボクの肩に噛み付いてきた。小さな歯が鋭い痛みをボクに与える。
 きっと貴美はそれ以上の痛みを感じているのだろう。
 だからボクはその痛みを甘んじて受け入れた。
 そうして、ゆっくりと貴美の身体の中に陰茎を擦り付けていった――。











 「私……。あいつらには負けないよ」

 全てが終わった後で、貴美はボクの心臓に耳を当てながらそう言った。
 心臓の音を聞きたいと言って彼女はボクに覆いかぶさるようにしていたのだ。

 「ケンカすんなよ――」
 
 ボクはそう返事をした。

 「しないよ。あんな弱っちい奴とケンカしたって面白くない」

 それならそれでいいけど――。聞こえるようにわざとため息を吐いてやる。

 「何だよぅ――」

 貴美が口を尖らせた。その顔があまりにも愛らしいものだからボクは笑ってしまった。

 きっと貴美は、もう誰にも負けることはないと思う――。
 天上から地獄に叩き落されても這い上がってきた女だ――。
 ちょっとやそっとのことではヘコタレはしないだろう。

 「それにね……」

 貴美は機嫌を直したのか、再び甘えるようにボクに向かって言ってきた。

 「なんだよ……? 」

 貴美はボクを上から見下ろすと、くすりと笑った。

 タカシがいてくれるから――。
 そう言うだろうと思った。
 すると貴美はにやりとイヤらしい笑顔を浮かべてこう言った。

 「タカシの思った言葉は言ってあげません――」

 それからボクらはもう一度キスをした。
 長い長いキスだった。








 The END










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お世話になります

お世話になります。

今、普通の短編小説書いてます。
新しい分野へのチャレンジです。
30Kbくらいの作品になる予定ですので、長さ的にはイルマとか、整備班3とか、香月2とかと同じくらいの長さになりそうです。
自分の作品で一番長いので69Kbです。あきらの場合ですね。
ちなみにここに上げてる作品の合計は約380Kbです。
これって原稿用紙で何枚分なんだろ?
そういうの全然わからないんだよな。
相変わらずいい加減だなw

仕上がって納得いったら上げてみます。
でもマブラヴ全然関係ない。
読む人いるんかな?
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